「フォニックス」という言葉、聞いたことありますか?
フォニックスとは、英語の文字と音の関係を学ぶことで、英単語の発音や読み方を覚える方法です。
フォニックスを学べば、初めて見る英単語でも正しい発音を予測できるようになるといわれています。
私がフォニックスについて具体的に知るようになったのは、子供がインタナショナルスクールに通うようになってからです。
インタナショナルスクールでは小学校低学年までにフォニックスを習うのが一般的です。
この記事では、我が子がインターナショナルスクールでどんな風に習ったのか、フォニックスの学習法について、我が家でも取り組んだ勉強の方法、おすすめの学習法など、失敗も踏まえて紹介します。
また、この記事では、フォニックスを習得した自分の子供にどのような効果があったのかをご紹介します。
この記事でわかること
フォニックスの基本ルール
フォニックスを学ぶときには、レベルに応じて段階的に学習していきます。
フォニックスのレベルは、大きく分けて以下の4つに分類できます。
フォニックスのレベルに応じた4段階レベル
それぞれのレベルの内容について詳しく見ていきましょう。
レベル1:アルファベット(A~Z)の音と名前とCVC words
フォニックスの最初のレベルは、アルファベット(A~Z)の音と名前を覚えることです。
アルファベットは26文字ありますが、それぞれに固有の音があります。
例えば、aは「エー」という名前ですが、「ア」という音です。bは「ビー」という名前ですが、「ブ」という音です。cは「シー」という名前ですが、「ク」という音です。
また、アルファベットの音を覚えるだけでなく、その音から始まる単語も覚えます。
例えば、aは「ア」という音ですが、「アップル」や「アリ」などの単語も覚えます。これによって、音と意味の関連付けができます。
アルファベットの一文字づつが読めるようになってから、CVC wordsを学びます。
CVC wordsとは、「子音(Consonant)+母音(Vowel)+子音(Consonant)」の組み合わせでできた3文字の単語です。英語圏では、短母音を含む単語をCVCワードと言います。
こちらは、Khan Kids Academyのアプリ内のスクリーンショットです。後に紹介記事と合わせて記載してあります。
レベル2:短母音(Short Vowel)と長母音(Long Vowel)を覚える
フォニックスの次のレベルは、短母音と長母音を覚えることです。
母音はa, i, u, e, oの5つのことを指しますが、短母音とは、音を伸ばしたり重ねたりせず短く発音する母音のことです。
例えば、aは「ア」という短母音です。
長母音とは、母音の持続時間が長いものです。
例えば、aは「エイ」という長母音です。
レベル3:子音連続(DiagraphsとBlends)と母音連続を覚える
フォニックスのさらに次のレベルは、子音連続と母音連続を覚えることです。
子音連続とは、2つ以上の子音が連続して発音されることです。例えば、bl, st, tr, ndなどです。
母音連続とは、2つ以上の母音が連続して発音されることです。例えば、ai, ee, oo, ouなどです。
子音連続にはDiagraphsとBlendsがあります。
Diagraphsとは2つの子音が1つの音を表すものです。たとえば、「ch」はサウンドでは「ク」と「ハ」ですが、Diagraphsでは「チュ」という1つの音になります。
Blendsは子音が連続しているものです。たとえば、「br」や「fr」はBlendsです。
Blendsは発音しやすいですが、Digraphsは発音が独特で難しい場合があります。
たとえば、「wish」という単語では、WとIは発音しやすいですが、shの部分はh、s、Fのどれが正しい発音なのか判断が難しい場合があります。
このレベルでは、子音連続と母音連続の発音を覚えるだけでなく、その発音によって単語の意味が変わることも覚えます。例えば、panという単語は、nを単独で発音すると「フライパン」という意味になりますが、nをndという子音連続で発音するとpandという単語になり、「広げる」という意味になります。
レベル4:発音の例外と変化(Tricky Words, Sight Words)を覚える
フォニックスの最後のレベルは、発音の例外と変化を覚えることです。
発音の例外とは、フォニックスのルールに当てはまらない単語のことです。例えば、one, two, eight, knife, islandなどです。
発音の変化とは、文脈やアクセントによって発音が変わる単語のことです。例えば、read, wind, live, record, minuteなどです。
このレベルでは、発音の例外と変化のパターンを覚えるだけでなく、その理由や背景も覚えます。
例えば、one, two, eightなどの単語は、古い英語の綴りが残っているために発音がルールに当てはまらないことを覚えます。read, wind, liveなどの単語は、動詞と名詞で発音が変わることを覚えます。record, minuteなどの単語は、アクセントが違うと発音が変わることを覚えます。
Sight Wordsとは「一目で(sight)」見て認識し読めるようになることが推奨されている単語を指し、頻出単語とも呼ばれています。
フォニックスのルールを学んでも読めないものなので覚えるしかありません。
レベル4に分類されていますが、この例外の単語の中に頻出単語が沢山あるので、フォニックスを学び始めの初期のころから、学校では勉強していったようでした。
この辺は絵本などを読んでいればたくさん出てくるので、絵本を読んで自然に身につけていくのが良さそうです。
フォニックスの取り組み方
1. インターナショナルスクールでやってきたこと
ワークシートや教科書(先生が作ったスライドなどがメイン)などを用いて、だいたい上記の4段階のレベルにそって学んでいきました。
授業ではYouTube を活用してリズムで覚えることもしていたようです。
学校からの宿題としては指定されたWebサイトでフォニックスに関するゲームをしてくるようなものもありました。
テストは口頭で行われたり、ワークシートの紙のテストもありました。
2.家でのサポート
フォニックスの知識を定着するために実際に家で取り組んだ内容や方法です。
1 カードやポスターなどを見て覚える
実際に口に出して発音してみないと覚えないので、壁に貼ったポスターをひたすら読む時期がありました。我が家の場合が学校で配布されたフォニックスのリスト(例えばShort Voweのリストなど)でした。
Twinkleに似たようなリストがありました。テストがあるので練習を頑張れた感じでした。
2 歌や動画などを聞いて覚える
我が家の場合はYouTubeやアプリを活用しました。
①おススメYouTube
Phonics Reading というYouTube番組です。
レベル1のアルファベットの読み方から、レベル4まで一通り動画が揃っています。うちの子供の場合「ch」など読み方の定着に時間がかかったので、そういう時にここの番組から選んで見せていました。
動画に派手さはないのですが、短い動画なので、ピンポイントで読み方を調べたいようなときに使えます。
YouTube にはフォニックスに関する動画は沢山あるので、お好みのものを選んで楽しみながら閲覧するのが良いのではないかと思います。
②おススメのアプリ
Khan Kids Academy
フォニックスのレベル別の紹介の箇所でも登場したアプリです。完全に無料で使えるアプリなので、とりあえずダウンロードしておいて間違いないです。
ゲームをしながらフォニックスが身につくので子供の食いつきは一番良かったです。
3 絵本や音読で覚える
①Oxford Reading Club の中のPhonics に特化した絵本を読む
我が家の場合はOxford Reading Clubを購読していて、たまたま見つけたシリーズでした。単語の上に絵が書いてあるので、初めて1人で読む本に最適です。
②Oxford Reading Tree のフォニックス絵本を読む
本編の Oxford Reading Tree のキャラクターたちはそのまま登場しますが、フォニックスに特化したシリーズです。
本編同様にオチのあるストーリーでたのしみつつフォニックスも学ぶことができます。我が家は息子がOxford Reading Tree にハマって英語のベースを固めたこともあり、導入してみました。
学校でもよくフォニックス文章を読んでいました。新しく覚えたフォニックスのルールで文章が読めると、フォニックスを学んでいて楽しくなりますよね。
なので、『フォニックスの読み方ルールを知る→文章で読んでみる。』を繰り返すことはとっても効果的でした。
4 ワークシートを用いて書いて覚える
つづいては、ワークシートがダウンロードできるサイトの紹介です。どのサイトも大体無料で使えます。むしろ大量なので、なにから印刷しようかと悩むほど。
我が家の場合は、学校で学んできた内容の知識の定着するために子供が覚えるのに苦労していそうな分野を選んで印刷していました。
①Education.com のワークシート
②K5 Leaning のワークシート
③Twinkle のワークシート
5 オンライン英会話でフォニックスを学ぶ
母国語が日本語の親の場合、正しいフォニックスを子供に教えるのはやっぱり大変ですし、労力が必要だと痛感しました。
ネイティブの親であっても、子供にフォニックスを教えるということは簡単ではないようです。
私が子供とフォニックス学習を通じて感じたこと、これは間違いなく『プロの先生に任せた方がいい。』という結論です。インターナショナルスクールに通うことが難しくても今時はオンライン英会話でフォニックスを学ぶことができます。
①Novakids
子供のスキルアップ英語レッスン【NovaKid】ダントツでおすすめのオンライン英会話です。フォニックスの学び方はインターナショナルスクールで学んだ方法と一番近いのではないかと思います。
フォニックスコースはなく、通常コース内で学ぶことができます。
フォニックスを習得すること自体は、ルールを覚える作業なので、やり方によってはものすごくつまらない作業になってしまいます。
Novakid の先生は子供のモチベーションをあげて、授業を盛り上げるプロ集団ですから、子供は楽しくフォニックスをまなぶことができます。
②Oxford 出版の「Let’s Go Phonics」を使用できるオンライン英会話
他にもフォニックスを学べるオンライン英会話もあります。市販の教科書を購入しなくても、オンライン英会話でフォニックスコースを選ぶこともできます。
ネイティブキャンプ リップルキッズパークフォニックスを学び始めた頃の我が家の失敗
フォニックスは音のルールを覚えることなので、どうしても内容はつまらないものになりがちです。
我が家は、最初フォニックスを楽しんで習得するという意識がものすごく欠如していました。
息子に一生懸命、読み方のルールを覚えさせようとしていました。
息子(当時6歳)の様子といえば、「超、つまらなそう 。」
こんな失敗から言えることはフォニックスは生活に取り入れ、遊びの延長で習得することをお勧めします!
そして、フォニックスはオンラインレッスンを受けただけの一度のインプットだけでマスターできるような内容ではないので、生活のなかにフォニックスを取り入れて、オンラインレッスンでは積極的にアウトプットもできるようにすれば、挫折することなくフォニックスを習得できるようになると思います。
フォニックスを習得してからの息子の変化
始めて出会う単語でも予測して読めるようになりました。
英文を読むというハードルがかなり下がったようで、積極的に音読もするようになりました。
子供は耳がいいと言われていますが、耳で覚えた単語を、フォニックスというルールに当てはめて頭の中を整理していったようです。
また新しい単語に出会ったときも、ある程度スペリングを予測出来るようになりました。
フォニックスというものに向き合ってみて、思うこと。
英語圏では低学年のうちに習う基礎中の基礎で、ネイティブの親たちも子供にフォニックスを学ばせることは必須だと思っているようですが、同時に簡単に教えられるようなものではないと思っているようです。
お隣、韓国人のママによると韓国ではフォニックスを学ぶことは今や当たり前だそうです。
ほぼ英語圏の国、フィリピン人のママによるとフィリピンの公立の小学校ではフォニックスを学ばない学校もまだ沢山あるそうです。
日本ではまだまだフォニックスを学ぶ機会は少なく、公立小学校では習いません。
フォニックスを学ぶことは、子供にとって有益なのか無益なのかの議論をネット上で見かけますが、とりあえず我が家の6才男子にとっては有益であった様子です。
ちなみに、、過去に『発音記号』を学んだ私も、息子の勉強に付き添ってフォニックスを学んでしまったわけですが、こちらは多少の効果はあった気もしなくはないですが、正直これといった効果はあまり感じてはいないです。どうしても『発音記号』の知識がフォニックスを素直に受け入れられなかったのと、聴力の劣化によって効果が薄れているのだと思います。
まとめ
フォニックスを学ぶことは子供にとって有益でしたし、今後の英語を学んでいく上で有利になります。
フォニックスを学ぶことは骨の折れる作業ですが、オンライン英会話レッスン&おうち英語を活用して子供の耳がいいうちに習得するのが一番効果的です。
そして日本で手に入る教材はカタカナに直したものであったりして、なかなかこれだ!という情報を手に入れるのに苦労しましたが、探せば絶対に見つかります。まずはこちらの記事で紹介したツールを試してみてくださいね。
何より、お子さんと一緒に取り組む時は楽しむことをお忘れなくが、ポイントです。
こちらの記事がどなたかの参考になれば幸いです。